130万円の壁がなくなる?被用者保険の適用拡大について解説

 

厚生労働省は被用者保険の適用拡大を検討している

厚生労働省は働き方改革の一環で今まで国保の対象だった個人事業主の人や、社会保険の被扶養者として短時間労働で働いている人も社会保険の被保険者対象を拡大する方向で動いている

これは僕たちのような労働者だけではなく、雇用する会社側にとっても大きな変化なんだ

”被用者保険の適用拡大を検討”と表現しているけど行われることはほぼ確定済み、今はその調整段階というところ

具体的には2020年中に法案提出を目標にしていて、早ければ2021年に施工される予定

参考資料:被扶養者保険の適用拡大について(厚生労働省HP)

 

まだ細かな条件等は決まってないから断言できないけれど、社会保険の被扶養者としてパートやアルバイトで短時間労働をしている人は今後社会保険への加入義務が発生する可能性があるよ

保険対象者拡大のメリット・デメリット

適用拡大によるメリット

今回の適用拡大によって大きく3つのメリットがあるよ

  • 傷病手当・出産手当金がもらえるようになる
  • 厚生年金の受取額が増える
  • 今までよりも柔軟に働きやすくなる

 

傷病手当・出産手当金がもらえるようになる

今まで社保に加入できなかった個人事業主やその家族は傷病手当金や出産手当金はもらえなかったけど、社会保険の被保険者になることで今後は受け取れるようになる

厚生年金の受取額が増える

厚生年金に関しても保険料の支払いが生じる代わりに年金の受取額が増える

より老後の安心が得られるメリットがあるよ

今までよりも柔軟に働きやすくなる

今までは旦那さんの扶養に入っている短時間労働者は130万円を超えると扶養から外れてしまい逆に家計を圧迫してしまうため”130万円の壁”と言われる障害があった

今後は130万円に満たなくてもどちらにしろ被保険者として加入義務が生じるのでこの上限を気にせず働けるようになる

 

適用拡大によるデメリット

もちろん今回の改革はメリットばかりではない

  • 家計の負担が増える
  • 仕事が見つかりにくくなる可能性がある

大きくこの2つがあげられる

家計の負担が増える

先ほどメリットで”130万円に満たなくても被保険者として加入義務が生じる”と書いた、これは今までは保険料を支払わずにすんでいた人も保険料の支払い義務が生じるのでデメリットだ

仕事が見つかりにくくなる可能性がある

このあと詳しく書くが、今回の適用拡大で保険料の支払い義務が生じるのは働く人だけではなく働く人を雇用する会社にもある、結果として採用を今までより慎重に行うようになる可能性もありこれもデメリットといえる

 

適用拡大が家計にどのように影響するの?

先ほどの2つのデメリットについてより詳しく説明していこう

今回は適用拡大がテーマだからもともと夫婦二人ともフルタイムで働いている場合は影響がない

パートやアルバイトなどの短時間労働者がいる家庭で影響があるからその前提で話を進めるよ

 

その前に家計への影響を考える場合に保険料の負担について知っておく必要がある

国保の被保険者・・・保険料を全額負担

社会保険の被保険者・・・保険料は会社と被保険者で半額ずつ折半

社会保険の被扶養者・・・保険料負担なし

このことを踏まえたうえで話を進めていく

 

仮に旦那さんが主として家計を支えていて、奥さんは短時間労働で家計の手助けをしている家庭を想定しよう

会社員の家族の場合

旦那さんが一般的な会社員の場合は社会保険の被保険者として保険に加入している

この場合、奥さんは社会保険の被扶養者として加入しているから社会保険料の支払いなしで保険制度を受けられる状態

今後は奥さんも社会保険の被保険者になる、保険料の支払いが発生して家計の負担が増える見込みが高い

個人事業主の家族の場合

旦那さんが個人事業主として仕事をしている場合は国保に加入している

この場合は旦那さん・奥さんのどちらも国保の被保険者だ

国保の場合は保険料を全額負担しているから、奥さんが社会保険に加入するとその保険料を会社と奥さんで折半になる

結果として家計にとってプラスになる見込みが高い

 

被用者保険の適用拡大が雇用にも影響する?

この制度の変化により短時間労働者の雇用に影響が出る場合がある

 

例えば旦那さんが会社員で社会保険の被保険者、その奥さんのAさんが被扶養者の場合

今まではその人を雇った会社にはAさんの保険料を支払う必要はなかったから負担が少ない

 

これがシングルマザーと仮定したBさんの場合だと扶養者ではないから社会保険などの折半義務が生じる

 

同じ給与を支払うとしてもその裏側ではBさんを雇用する方が費用負担が大きくなるから会社としてはAさんの方が使いやすかったんだ

言い換えると今までは社会保険の被扶養者の人はパート・アルバイトをするうえで優遇されていて仕事を探しやすい状況だった

でも今後はこのような差が生じなくなるから短時間労働者の雇用しやすさが平等になる

もしかしたら専業主婦で特別な資格・スキルをもたずブランクが長い人は仕事が見つけにくくなる可能性がでてくるかもしれない

 

まとめ

被用者保険の適用拡大はまだ細かな条件などを調整段階で具体的な金額を上げたりして解説できる段階ではない

ただ、おおよその枠組みはできてきているので早ければ1年後の近い将来にはこのような流れになる、ということを理解しておいてもらえれば幸いだ

 

今回の拡大は130万円の枠に捕らわれずより柔軟に働きやすい環境作り、と称している

しかし僕の視点では、短時間労働者で傷病手当金や出産手当金の対象になる人は限られたごく一部の人だし保険料徴収額に対して支出額は少ない

僕らの世代では厚生年金の支払額よりも受け取り額の方が少なくなると言われているから実質は労働力の確保とひっ迫している医療費や保険料に対する財源確保だろう

こればかりは国がやると言っている以上文句を言ってもどうしようもないので国が決めた中でとれる最善策を選択し提案する

そんなアドバイスをFPとして提案できたらと考えているよ